浄土真宗
浄土真宗について
浄土真宗は、親鸞聖人が鎌倉時代にひらいた仏教宗派の一つです。親鸞聖人は浄土宗をひらいた法然上人に師事し密接な関係にあったため、浄土真宗の仏具には浄土宗の仏具を参考にしたと思われるものが多くあります。
浄土真宗の宗派
浄土真宗は十派に分かれ、京都に所在する本願寺派〔本山：本願寺〕・大谷派〔本山：真宗本廟〕・佛光寺派〔本山：佛光寺〕・興正派〔本山：興正寺〕、滋賀に所在する木辺派〔本山：錦織寺（きんしょくじ）〕、三重に所在する高田派〔本山：専修寺（せんじゅじ）〕、福井に所在する讃〔三〕門徒派〔本山：専照寺〕・山元派〔本山：證誠寺（しょうじょうじ）〕・誠照寺派〔本山：誠照寺（じょうしょうじ）〕・出雲路派〔本山：毫攝寺（ごうしょうじ）〕の本山があります。
浄土真宗の開祖
親鸞聖人は現在の京都市伏見区にある日野誕生院の地で、日野有範を父として生まれたとされています。比叡山延暦寺で修業後法然上人に師事し承元の法難で越後に流され、赦免後に栃木など関東での布教を経て帰洛し、諸説ありますが現在の角坊〔京都市右京区〕で亡くなったとされています。親鸞聖人没後、関東の高田派が勢いを持ち東海へ教線を延ばしましたが、その中から北陸に勢力を持つ者が現れ、現在の福井四箇本山の礎となりました。この当時の本願寺〔後の本願寺派・大谷派〕はそれほど力がなく、破壊された親鸞聖人廟所の再建も関東の門弟たちの力を借りなければなりませんでした。本願寺が隆盛するのは第8代蓮如上人の時代で、蓮如上人は本願寺〔本願寺派・大谷派〕の「中興の祖」と言われています。
浄土真宗の荘厳について
その起源は、親鸞聖人廟所での簡素な荘厳から始まります。この後しばらく、親鸞聖人の御影前に三具足を並べる程度の荘厳だったと考えられており、後にできた阿弥陀堂の荘厳も同様に簡素だったようです。
現在の本願寺派・大谷派本山で見られる豪華絢爛な荘厳には、山科本願寺以降になったと考えられています。つまり、蓮如上人の教線が拡大し、浄土真宗伽藍の中心的建造物である御影堂・阿弥陀堂が大型化したことに伴って、必要な仏具の種類が増えました。さらに、浄土真宗の本拠が大阪本願寺に移り、永禄2年（1559）第11代顕如上人が「門跡」となったことで、門跡にふさわしい法式（ほっしき）や仏具および法衣が整えられました。浄土真宗で特徴的な仏具の一つ、鶴亀型蝋燭立もこのころに出現したようです。
戦国時代の浄土真宗各本山は、所在地を統治する戦国大名や武将の戦略によって帰参改派を余儀なくされます。高田派や佛光寺派および木辺派は、延暦寺や織田信長の一向宗への攻撃を避けるため、浄土宗の傘下であることを主張したり、浄土と浄土真宗の二宗兼学を主張しました。このような経緯から、浄土真宗内の各派で使用する仏具に違いがみられるようになりました。
織田信長との石山合戦後、大阪石山から和歌山鷺森、大阪貝塚、天満と流転していた本願寺〔本願寺派・大谷派〕は豊臣秀吉に寺基を与えられ、ようやく京都堀川七条の地に落ち着きました。大谷派〔東本願寺〕は徳川家康から現在地の寄進を受け、本願寺派〔西本願寺〕から独立分派し、巨大な阿弥陀堂・御影堂を造立しました。この東西本願寺の分派によって、両派それぞれに特徴を持つ荘厳を考案するようになりました。
江戸時代に入りようやく世の中が落ち着くと、徳川幕府の発布した本山末寺制度によって、これまで東西どちらに就くか帰趨（きすう）の決まらなかった一般寺院もそれぞれの本山の傘下に入ります。特に、本願寺派と大谷派の本山は建築様式のみならず、御木仏御本尊、宮殿・須弥壇などの荘厳具に至るまで本山からの許可制を敷き、おのずと一般寺院の荘厳は本山様式に則った形を取るようになりました。
親鸞聖人の50年ごとの御命日を偲ぶ（しのぶ）「大遠忌（だいおんき）」「御遠忌（ごえんき）」という法要では、境内地や建造物の整備とともに仏具の整備も行われ、その都度形状や数量および設置する場所などのルールが定まっていき、現在の『法式規範』に繋がっています。
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先祖供養具（浄土真宗）
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法要調度品（浄土真宗）
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屋内外設置金属製品（浄土真宗）
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僧具（浄土真宗）
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梵音具（浄土真宗）
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供養具（浄土真宗）
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荘厳具（浄土真宗）
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経巻具（浄土真宗）
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御木像・御掛軸（浄土真宗）
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