香合・塗香・匂袋
香合と塗香入、匂袋などを掲載しています。
塗香は粉末にした香木を身体に塗ることで、写経の前やお参りの際に身体を清め邪気を寄せ付けないという意味で仏教で取り入れられてきました。元々は身体のにおい消しに使われたという説もあります。今日の「アロマテラピー」に通じるところがあり、手軽に使えて上品な香りと心の安らぎを感じられると思います。そんな塗香を入れる容器には黒檀や紫檀、桜や欅などが使われることが多く、携帯に便利な小型なものが使用されています。漆塗りの上品なものから、女性にも携帯できるかわいくておしゃれなものまで幅広く取り揃えました。
香合は「香盒」とも書きます。「盒」は蓋付の器の意味をして、お香以外のものも収納していたようです。お香は仏教伝来とともに伝わりましたが、香合は茶道とともに平安期~鎌倉期に伝来したと言われています。香合は茶道の道具の一つとして使用されたため、形や材質は寺院用香合よりも多くの種類があります。季節を大切にする茶道では炉(ろ)もそれに合わせて変更されます。香合もそれに合わせて用意されています。
香合の模様
香合の模様に「グリ模様」と呼ばれるものがあります。香合に蕨(わらび)状の模様を彫刻したものをそのように呼びますが、日光東照宮陽明門の柱にも同じ模様が見られます。一説にはアイヌ民族の模様の影響を受けたという話しもありますが、起源は中国漆器の「屈輪(ぐり)」からきていると言われています。これは「堆朱(ついしゅ)」と呼ばれる技法で漆を何層も塗り重ね、その上から模様を彫刻する技法で作られています。表面に連続した曲線を施した文様が彫られているので一説にはこの文様を「曲々」と書いて「くりくり」と呼び、屈輪(グリ)に転じたとされています。朱色の同心円を彫刻した「朱筋香合(しゅすじこうごう)」は、グリ香合を模した文様とも言われています。
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